私のお遍路体験記 ~八十八ヶ寺と奏でる私の詩~

12番 焼山寺 ―不思議な出来事―

2009年11月10日 16:40 記事一覧に戻る
12番 山

遍路転がしを越えて。


12番 寺

弘法大師がここに訪れたときに大火に遭い、
町にも多くの被害が出ていた。
大師は菩薩の力を借り、
火と岩窟から現れた大蛇を封じ込めたと言われている。
そしてそのことから、焼け山の寺、焼山寺と名づけられたそうだ。


12番 杉

11番の藤井寺から12番のこの焼山寺までの道のりは、
昔から「遍路転がし」と呼ばれ、大変な難所なのだそうだ。
少し気温が下がるほどに山の上の方にあり(標高800m)、
多くの遍路にとって、
厳しい修行の道のりを越えてたどり着くこの寺は、
立派な杉の木が立ち並び厳かな雰囲気が漂っている。


12番 石段

石段は、川の石で作られたものらしく、
角のとれた薄い色の大きな石が、
パズルのように階段になっている。


このお寺では、若い女性の歩き遍路に出会った。
お父様を亡くしたことをきっかけに、東京からやって来たそうだが、
お遍路の道中、不思議なことがたくさん起こるらしい。
たとえば、
道が分からなくなるとどこからか犬が案内するようにやってきたり、
少し長く休んでいると、蝶が急かすように周りを跳んだり、
よく見ると、ずっと同じ虫がついてきていたりもするのだという。
見守られているという感覚がずっとあるというのだ。
そんな不思議なこともあり得そうな気がするから、不思議。


12番 若い女性



身に入むや木におほはれて山となり   る理                                                                                        (野口る理 記)