6番 安楽寺 ―さかまつ伝説―
2009年11月 2日 18:00
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この松は、さかまつと呼ばれている。
この安楽寺には、「さかまつ」というものがある。
大師が薬師如来の影現を感じ取り一心におがんでいると、
大師めがけて一本の弓矢が飛んできた。
けれどもその矢は大師のすぐそばにあった松に刺さり、
大師の身代わりとなったそうだ。
大師は、誤って矢を放ってしまったその猟師に、
身代わりとなって折れてしまったその松を、
さかさまに植えるように命じた。
このように安楽寺のさかまつは、厄除けとして、
多くの災いから守ってくれるのだと伝えられている。
また、安楽寺は温泉山として有名で、
宿坊には天然の温泉があるそうだ。
元々、藩が定めた駅路寺、
つまり、宿のない遍路や旅人を助け保護する寺なのだとか。
桃の実や、小さな池や、それに架かる橋。
とてもおだやかで美しい庭にも私達は癒され、
そして、また次の寺を目指す。
落つるとき天とほくなる実桃かな る理
(野口る理 記)