私のお遍路体験記 ~八十八ヶ寺と奏でる私の詩~

11番 藤井寺 ―藤の奥の、木陰の奥の―

2009年11月10日 16:30 記事一覧に戻る

 

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藤井寺で見ておくべきなのは、

山門を入ってすぐの藤棚と、本堂の竜天井だそうだ。

 

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この時期、藤たちは、立派な実をつけていた。

花の季節にきたら、きっと、藤の高貴なむらさき色に、

圧倒されるのだろうなあと想像される、立派な藤棚だ。

そんな藤棚に関係して、このようなかわいらしいおまもりもあった

 

 

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この八十八ヵ所を回ることに決まったとき、一番不安だったのは、

果たして、88ものお寺を、別々の記事として書き分けることなど

できるのだろうか、ということだった。

けれど、それは杞憂というものだった。

 

実際にまわってみると、それぞれのお寺で、

ほんとうにたくさんの特色があるということを実感する。

本堂や大師堂だけでなく、お庭の作り方や咲かせている花、

寺の由来となる伝説やそれを模したお守りなどのグッズまで、

さまざまな個性が存在している。

 

 

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そんな個性を、すいも甘いもかみ分けて、

長野さんは、私たちに教えてくれる。

写真は、藤井寺の住職さんに、

お寺の魅力を聞いてくださっている長野さん。

初めてまわる、知識も乏しい私たちに、

水平な態度でいろいろ教えてくれて、

とにかくありがたい。

お寺の方との会話、美味しいお店、

これまでに出会ってきたお遍路さんのエピソード

ガイドマップには書いていない、

なまの知識に触れられることが、とても貴重だ。

 

 

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このお寺からは、歩き遍路さんのための道がのびている。

  

次の焼山寺まで、何もない山道を、

歩き遍路の方は、ただひたすら歩いていくのだそうだ。

早い人で五時間、普通だと六時間はかかる道のりだという。

 

昔から、その道のりを歩き続けてきた人たちの祈りの深さを思うとき、

木々に覆われている遍路道が、いっそう翳りを濃くして見える。

 

 

IMG_1326.JPG 11番 瓦に生えた草 

 

 

竜胆に触れきし膝を折り祈る  紗希