56番 泰山寺 ―車輪の音―
2010年3月14日 19:20
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美味しいアイスクリン。
地元の人が「人取川」と呼んで恐れる川が氾濫したときに、
この地を訪れた大師がそれを修行で助けたといわれている。
そのときに空中に出現した延命地蔵を本尊としたそうだ。
また、このお寺には、「地蔵車」という石でできた車輪がある。
この車輪を回すと六道輪廻の絆を断つことができるそうだ。
回すとゴロゴロと硬い鈍い音がして、
本当に何かが切れていくような冷たい重たさがあった。
大師が手植えをしたといわれている「不忘松」は、近年枯れてしまい、
今は切り株と、その子孫である松の木を見ることができる。
子孫の松が立派に育っているということは、
松の世代交代のようなものか。
この松は、川が氾濫したときに護岸として植えたひとつだそうだ。
シンプルながらも開放的なお寺で、空を広く感じた。
ひとところ歩きつつ食ふアイスクリン る理
(野口る理 記)