私のお遍路体験記 ~八十八ヶ寺と奏でる私の詩~

61番 香園寺 ―子どもの成長を願うこと―

2010年3月24日 20:11 記事一覧に戻る

 

 

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香園寺は、伊予の子安大師さまとして、人々に親しまれている。

 

 

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昔、このあたりをお大師さまがとおりかかると、

難産の女性が苦しんでいた。

お大師さまがその人を助けてあげて、

無事元気な子どもが生まれたことから、

安産祈願のお寺として、現在まで続いているのだという。

 

宿坊の廊下には、何千枚もの子どもの写真が飾ってある。

このお寺で、安産の祈願をして、無事に生まれた子どもたちだ。

 

お礼参りの際に、安産お守りをお寺に返し、

一緒に写真を奉納する。

そうすると、一年間は本堂で祈祷をし、

十年間は宿坊に飾り、そのあとは、本堂の中に保存して、

ずっと祈祷をしてくださるのだとか。

 

写真というのは、

身代わりや分身のような役割も果たすから、

その写真をお寺に守ってもらっているということは、

強い安心感につながるだろう。

 

 

お守りには、寝室に貼るお札や、

夫婦がそれぞれ持ち歩くための、

五センチくらいの小さなお札、

それから生まれた子どもの成長を

祈願するお札などが売られていた。

 

境内にも、家族連れがたくさんいた。

ここでご祈祷をして生まれた子どもだろうか。

とてとてと走って、こけて泣いている姿も、

元気そのもので、他人事ながら、嬉しくなった。

 

 

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もうひとつ付け足しておくと、このお寺の本堂は、

一風変わったモダンな建築だ。

ぱっとみて、まずお寺だと思う人はいないのではないだろうか。

 

この本堂では、たくさんの人が、

中でご祈祷を受けられるようになっている。

受け皿が大きいということで、ここにも、

衆生みなを救いたいという仏教の気分がある。

 

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毬遊びする子に秋日差しにけり  紗希

 

                      (神野紗希 記)