63番 吉祥寺 ―いいことって何だろう―
2010年3月31日 17:14
記事一覧に戻る
吉祥寺の境内には、成就石がある。
10メートルほど離れた境内の前に立ち、
まず、金剛杖をかまえる。
そして、目をつぶって、まっすぐ穴を目指して歩く。
金剛杖の先が、見事、成就石の穴に入ったら、
願いがかなうのだそうだ。
見たところ、穴も割合大きい。
これなら、一歩一歩たしかに歩めば、
きちんと入るんじゃないだろうか。
そう思って、チャレンジしてみた。
それが、意外と難しい。
まっすぐ歩いていたつもりが、
気がついたら石の脇にまでずれてしまっていた。
る理ちゃんに至っては、別の小路に入っていってしまう始末。
「願いごとがかなうのは、もう少し先になるかなあ」と、
二人でがっかりしあった。
ちなみに、このチャレンジをするときには、
ぶつかったりこけたりしてはいけないので、
誰かのチャレンジを誰かが見守るかたちで
行うことをおすすめする。
願いをかなえたくて、こけて骨など折って、
早く治りますようになんて、
またお願いしにこなければいけなくなっては、本末転倒だもの。
他には、くぐり吉祥天女というものもある。
この天女さまの像の下をくぐると、
いいことがあるということだ。
......いいことって、一体なんだろう。
そんな具体的なことを考えている時点で、
ちょっと不謹慎な気がする。
とかなんとか考えながら、天女像の下をくぐるとき、
石の冷気がひんやりとつたわってきた。
騒がしく落ちて熊蝉それきりに 紗希
(神野紗希 記)