68番神恵院 ―共に生きる―
2010年4月15日 17:27
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68番・69番札所は、「一山二霊場」と呼ばれている。
同じ境内の中に、二つの札所が存在するのだ。
そういう場所は、八十八ヵ所の中で、ここだけだという。
もともとは、琴弾八幡宮に、68番札所があった。
しかし、明治政府による神仏分離の政策により、
神社と一緒だった68番札所が、
琴弾八幡宮から離れて、
69番札所のところへ移ってきたのだそうだ。
山門も、鐘つき堂も、納経所もひとつしかない。
ご住職も、同じ方がされているのだという。
「つつじの時期にはいっぱいにつつじが咲くんですよ。
紅葉の時期も、素晴らしいですよ」と、
納経所の女性が教えてくださった。
神恵院の本尊がまつられていた琴弾八幡宮というのは、
大宝三年、日証上人が浜で神船に出会い、
琴の音と共に「宇佐からやってきた大明神だ」という
お告げを聞いたことに由来しているのだとか。
その船と琴とを山へ引き上げて、社殿をつくったといわれている。
最近、この神恵院の本堂は、建て替えられて、
コンクリートのモダンな建物となった。
分厚いコンクリートにぽっかりとあいた天井から
まっすぐお堂に入ってくる光の幅は、
やはり神聖そのものだった。
コンクリートや水打の飛沫跡 紗希