私のお遍路体験記 ~八十八ヶ寺と奏でる私の詩~

68番神恵院 ―共に生きる―

2010年4月15日 17:27 記事一覧に戻る

 

変換 ~ IMG_2689.jpg  フリー

 

68番・69番札所は、「一山二霊場」と呼ばれている。

同じ境内の中に、二つの札所が存在するのだ。

そういう場所は、八十八ヵ所の中で、ここだけだという。

 

 

変換 ~ IMG_2674.jpg 68・69番

 

もともとは、琴弾八幡宮に、68番札所があった。

しかし、明治政府による神仏分離の政策により、

神社と一緒だった68番札所が、

琴弾八幡宮から離れて、

69番札所のところへ移ってきたのだそうだ。

 

 

変換 ~ IMG_2687.jpg 68・69番

 

山門も、鐘つき堂も、納経所もひとつしかない。

ご住職も、同じ方がされているのだという。

つつじの時期にはいっぱいにつつじが咲くんですよ。

紅葉の時期も、素晴らしいですよ」と、

納経所の女性が教えてくださった。

 

神恵院の本尊がまつられていた琴弾八幡宮というのは、

大宝三年、日証上人が浜で神船に出会い、

琴の音と共に「宇佐からやってきた大明神だ」という

お告げを聞いたことに由来しているのだとか。

その船と琴とを山へ引き上げて、社殿をつくったといわれている。

 

最近、この神恵院の本堂は、建て替えられて、

コンクリートのモダンな建物となった。

分厚いコンクリートにぽっかりとあいた天井から

まっすぐお堂に入ってくる光の幅は、

やはり神聖そのものだった。

 

コンクリートや水打の飛沫跡  紗希

 

                                  (神野紗希 記)