私のお遍路体験記 ~八十八ヶ寺と奏でる私の詩~

69番観音寺 ―樹齢は知らず―

2010年4月15日 18:09 記事一覧に戻る

 

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68・69番札所は、境内・納経所・山門などを同じくする。

その境内には、ご住職ですら樹齢が分からないという、古木がある。

 

 

この木は、二つのお寺が、一つの場所にやってくるまでと、

それ以後共存してきた、長い長い時間の蓄積を、

ずっと、見てきたのだ。

 

枯れずに育っているということは、二つのお寺が、

木と、互いと、この地を、大切にしてきたという証なのだろう。

 

観音寺の本堂は、室町時代に建立され、

重要文化財にも指定されている。

また、宝物館には、同じく重要文化財の

釈迦涅槃像が安置されており、

年に四回だけ、一般公開されるという。

今回訪れた日は、その日ではなかったので、

涅槃像を拝むことはできなかったが、

樹齢不明の古木を見ていると、

それもまたよいのかもしれないと思った。

またここに来たいという、こころの鍵のようなものを

受け取った気がした。

 

 

変換 ~ IMG_2668.jpg 69番

 

木の肌に蝶のとまれる時間かな  紗希

 

                 (神野紗希 記)