私のお遍路体験記 ~八十八ヶ寺と奏でる私の詩~

1番 霊山寺―鈴の音―

2009年10月 9日 10:20 記事一覧に戻る

 

1番 山門 

霊山寺は、「一番さん」の名で親しまれている、発願のお寺だ。

門にも「発心」の文字が。

発心という言葉は、心の底から何かが沸いてくるような手触りだ。

 

 

1番 お遍路 

 

一番目のお寺なので、長野さんに、

参拝の仕方を、ひととおり丁寧に教えていただく。

  

たとえば、山門をくぐるときには、

行きも帰りも、心を込めて一礼をすること。

あとから来た人が手を焼かないように、

蝋燭は奥の高いところから、お線香は中心からあげること。

納経のご朱印をいただくのは、読経を奉納しましたという証明だから、

必ず、納経の前に読経をあげること。

読経は、本堂→大師堂の順に行うこと。

形式は、心持ちを表すためのものだから、

心をこめてやることが一番大切なんだよ、と長野さん。

しかし、このやり方も、長い長いお遍路さんの歴史の中で、

みんながまわりやすいようにできあがったものなので、

知っておくことは大切なことです、とも言っていた。 

 

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一番札所だけあって、見所は、

境内に遍路用品を売るお店があることだ

 

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納札や納経帳、蝋燭や線香、経本や金剛杖など、

お遍路に必要なさまざまな道具が売っていた。

 

中でも、特に心ひかれたのが、

「自鈴」と呼ばれる、魔よけの鈴だ。

昔は熊よけの意味もあったそうだ。

腰にゆわえつけるための紐が、カラフルで、

かわいらしいところが気に入ったので、

道中つけて歩くことに決め、購入することに。

 

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カバンにつけた鈴が、ちりん、ちりんと頷くように鳴るたびに、

自然と景色が澄んで見えてくる気がする。

ずっと、この音とともに旅をするんだな、と思うと、

何か心強い感じがするのは、一番札所の力を、

もうすでにいただいているからなのか。

 

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かなかなや点きしばかりの燭の丈  紗希

 

                    (神野紗希 記)