5番 地蔵寺 ―銀杏大樹のその下で―
2009年10月26日 12:10
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五番札所、地蔵寺の見所は、奥の院にある五百羅漢と、
樹齢八百年の銀杏の大樹だ。
特に、樹齢八百年の銀杏は、山門を出たすぐ目の前にあり、
参拝する人々に木陰をつくってくれる。
写真の門の向こうに見える幹が、その銀杏だ。
る理ちゃんに、サイズをあらわすために添えられる
マッチ棒の役割を果たしてもらうと・・・
この幹の太さ!
手をあててみると感じる、少し粗い幹の肌触り。
上から降ってくる銀杏の葉擦れの音。
見上げると、自分の心が、水のように、
銀杏大樹に吸い上げられるような気がする。
境内には、石の隙間の草取りをしている男性がいた。
話を伺うと、御年82歳。
ボランティアでされているそうだ。
広い境内をきれいにするのには、何日もかかる。
しかし、何日かして草取りをはじめた場所に戻ってくると、
そこにはもう草が生え始めている。
そうして、毎日、草取りを続けているのだという。
その方は、車などを利用して、
すでにお遍路を62回もまわられているのだとか。
「草とりをしよるとな、体の調子も、なんでかええんよ」。
からだを動かしていることが健康につながっているのか、
それとも、お大師さまのご利益なのか。
「お礼のようなもんじゃな」と、笑った表情の皺が、
とても素敵だったことを覚えている。
近づいて離れて仰ぐ晩夏の樹 紗希
(神野紗希記)