私のお遍路体験記 ~八十八ヶ寺と奏でる私の詩~

13番 大日寺 ―国境を越えて―

2009年11月10日 17:00 記事一覧に戻る

 

変換 ~ IMG_1761.jpg フリー タクシーの雨粒 

 

 

大日寺の山門を入ると、幸せ観音という観音さまがある。

 

変換 ~ IMG_1376.jpg  13 観音 

 

合掌の手のかたちの中に入っている観音さま。

「おててのしわとしわを合わせると、しあわせ・・・」

という文句を思い出させる形だ。

 

ここのお寺は、実は住職さんが、

韓国人の女性だということで有名なのだそうだ。

八十八ヵ所のお寺の中で、唯一、

日本人でない方が、住職をされているのだとか。

 

その方は、もともと、前住職の奥様で、

前住職が亡くなったときに、住職を引き継いだのだという。

「ドラマやドキュメンタリーで、よくテレビに出とるんよ」

と長野さんに言われて、そういえば、

韓国の舞踊の先生と電撃的に出会って、

結婚した住職さんのドキュメンタリーを見たのを思い出した。

あれがそうだったのか!

 

お寺を引き継いで守っていくということは、

並大抵のことではないだろう。

きちんと掃かれた境内や、丁寧に並べられたお守り売り場を見て、

その苦労の一端を拝見したような気がした。

 

朝早かったので、住職にお会いすることはできなかったが、

そのお寺の、静かながらも丁寧なたたずまいが、

寺を守るその人を体現していると思った。

 

 

変換 ~ IMG_1373.jpg 13 祈るるり 

 

 

桔梗やあかつき歩く鈴の音  紗希

 

                  (神野紗希 記)