29番 国分寺 ―酒断ち地蔵を前に―
2009年12月 7日 12:32
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四国四県に一箇所ずつある国分寺。二つ目は、高知県のそれだ。
ここは、紀貫之が、国府として、
四年間赴任していたことでも有名だ。
柿葺きの本堂も、立ち並ぶ古木の杉も、
この寺の歴史を物語るように、
しずかに、しかし堂々と佇っている。
苔も、心なしか年季が入っているように見える。
さて、実は、この高知の国分寺には、
もうひとつ、面白い見所があるのだ。
この「酒断ち地蔵」、昔は、ひとこと地蔵といって、
ひとことの願い事をかなえてくれるお地蔵さまだった。
しかし、あるとき、酒乱を治したいというお願い事を、
熱心に祈り続けた人がいた。
そうしたら、ある日、念願かなって、酒乱癖が治った。
それで、ひとこと地蔵の中でも、
特にお酒関係に強いお地蔵さんとして、
「酒断ち地蔵」の名称で親しまれるようになったのだという。
私も、お酒は好きだが、そんなに強いほうではないので、
楽しく美味しくお酒が飲めますようにという思いを込めて、
お線香をあげさせてもらった。
新涼やさぬきうどんに胡麻振って 紗希
(神野紗希 記)