58番 仙遊寺 ―生きたまま仏になるということ―
2010年3月20日 10:40
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最後に即身成仏した人。
本尊の千手観世音菩薩は、
海から上がった龍女が彫ったと言われているこのお寺は、
地元の人からは「おされさん」と呼ばれ親しまれている。
ここには、即身成仏を日本で最後にした人のお墓がある。
つまり、穴を掘ってその中で何も飲まず食わず
お経を唱え生きたまま仏になった、一番最近の人のお墓。
それは明治時代のことらしく、
そんな最近まであったことなのかと少し驚いてしまう。
また、お金ではなく労働力の寄付があったことを記している、
珍しい石碑もあった。
人と書いてあるのは日数のことで、
誰がどれだけの日数の労働をしたか、
または労働力を提供したかを示しているそうだ。
このお寺に毎日お参りにいらっしゃる方が教えてくださった。
いろんな人とお話ができる機会があるのは楽しいことだ。
秋日傘立てかけられて鳥のやう る理
(野口る理 記)